FX解析(MACD-シグナル)
こんにちは、ちゅーすいです。
今回からPythonを用いて本格的にFXの解析を始めました。
初回はMACDとシグナルについてです。
・MACD(Moving Average Convergence Divergence : 移動平均収束拡散法)
MACDというものの説明の前に、EMA(Exponential Moving Average : 指数平滑移動平均)というものを理解する必要があるので解説します。
現在~過去N回の終値を単純に平均した点をつないだものが移動平均線と呼ばれますが、EMAは現在に近づくにつれその比重を指数関数的に重くしたものです。
現在の比重を重くしている分、単純な移動平均線よりも実際の値への追従が早く、より迅速に売り買いのサインを取り出せます。
式としては直近の終値を'P'、EMAを'E(t)'として
E(t)={2P+NE(t-1)}/(N+1)
と書かれ、以下のイメージ図のような比重をつけて平均化したものです。
EMAの期間Nは短期の'12'及び長期の'26'が主に用いられます。
そしてMACDとはこのN=12のEMAとN=26のEMAの差分を取ったものを言い、すなわち MACD=(短期の移動平均線)-(長期の移動平均線) ですから、
MACDが負→正 : ゴールデンクロス(買いサイン)
MACDが正→負 : デッドクロス(売りサイン)
ということになります。
・MACDとシグナル
更に早く実際のトレンドに迫ろうとするのがMACDに加え'シグナル'を用いた考え方です。
シグナルとはこのMACDの移動平均です。(主に9回分の平均が取られます。)
シグナルとMACDの交差からMACDの上昇下降を事前に察知して売り買いしようというものですね。
下の図でいうところの①(横軸7の辺り)でMACDの下降を予測して、②(横軸14-15の辺り)のデッドクロス前に売りを入れておく感じです。決済は横軸27の辺りですね
ちなみにこのときEMA12とEMA26そして実際のレートは以下の様になっていました。
この場合だと横軸7の辺りで売りを入れて横軸27の辺りで決済するので1万通貨あたり4100円程度の収益になっています。
とはいえMACDとシグナルも万能ではありません。
交差してもすぐに戻してしまうことも往々にしてありますし、MACDと実レートの動きが微妙に合わないこともあります。よって、これらを用いた場合本当に収益が上がるのか検証が必要です。
・というわけで
このMACDとシグナルを信じて売り買いするとどうなるのか、2015/10-2016/9の30分足ドル円データを用いて検証しました。取引毎の収益を500円単位のヒストグラムにまとめたのが下の図です。
1番頻度が高いところが収益0-500円の要素です。以下に詳細を記しますと
・取引回数969回 1日の取引回数平均3.94回 ・勝率36.4%
・総合収支+71,380円 ・平均収支+73.7円 ・標準偏差3,897円
・収益時の平均+3,545円 ・単発最大収益+30,630円
・損失時の平均-1,916円 ・単発最大損失-24,400円
でした。
実際には1取引当たり30円のspreadが引かれますので平均43円とかその辺ですね。
・結論として
一応'期待値は正'なので初期投入資金を増やして長期で運用すれば稼げなくもない…はず。
とはいえ、平均に対して標準偏差が広すぎるので私としてはこれだけでは怖くて運用できたものじゃないですね。そもそも初期資金が足りない…。
他の指標と組み合わせての活用が必須かと思われるので今後も検証を続けようと思います。